2015.12.19
【2つ目の理由】練習場ではナイスショットなのに、コースではサッパリ…。その理由は?

▼練習場ではナイスショットなのに、コースではサッパリ…。その理由は?
・2つ目の理由
※この記事は2015年7月17日に公開された記事を再編集しております。
「1つ目の理由」の学習で、目標取りはバッチリ。
“客観的に適正”な構えもマスターできた。
しかし、ちょっと左右に池やOBがあると、やっぱり曲がってしまう…
目標に真っすぐに立てているのに、なぜ曲がってしまうのでしょうか。
2つ目の理由として、
「視覚的なプレッシャー」
を挙げてみます。

テレビでゴルフ観戦をしていて、プロでも結構曲げているのをご覧になることでしょう。
「右は絶対ダメ」「左はOBだから」と、球の行き先を限定されると、逆に行ってはいけない方向に曲がってしまうことがよくあります。
また、それを過剰に警戒して、反対方向に逃げすぎ、やっぱり曲がってトラブルになってしまう。
さらには、池越えなどの場面で、「絶対に越えなきゃ」と思う程、ダフる、トップするで、お約束のように池に入ってしまう。
プレーヤーは、飛ばしたい方向の左右に、バンカーや池などの障害物があると、イヤな方向を避けるために構えの向きが狂いやすいものです。
真っすぐに構えられたとしても、スイング中に反射的に行かせたくない方向を避けやすく、スイングの動作が鈍くなります。
ふだんの練習状況にも原因があるかもしれません。
練習場の打席では、
「失敗してもいいや」
「何球でも打てるし」
といったコースでの雰囲気やプレッシャーを 想定していない練習になっていないでしょうか?
ほとんどのゴルファーは、練習場での時間や球数の方が圧倒的に多いので、練習場での練習状況が、そのゴルファーのスイングイメージの基準になっているものです。
たとえば、インドアの練習場では、 2~3ヤード先の的に打ちますが、コースでは100~200ヤード先を狙う場合が多くなります。
「2~3ヤード先」と「100~200ヤード先」では、目線の届いている範囲、距離にかなりの違いがあります。
「目から入ってくる脳の情報処理」も、かなり違ってくるでしょう。
ふだんのインドアでの練習で、もしコースで狙う遠くの距離を想定していなかった場合、コースでいきなり100~200ヤード先に焦点を合わせれば、「脳の情報処理システム」がパニックを起こし、ゴルフスイングという運動神経のプログラムが大きく狂ってしまうことが考えられます。

運動神経は、「~していけない」「~しなければならない」に対しては、機能しづらいと言われています。
「~してみよう」「~になっている」が運動神経(無意識の領域)には相性がいいようです。
「リズムよくスイングしよう」
「(私は)リズムよくスイングできている」
が、運動神経をうまく機能させてくれます。
また、運動神経という無意識は「単語」に反応すると言われています。
たとえば、「バンカーに入れてはいけない」は、
運動神経は「バンカー」という単語のみに反応してしまうようです。

運動神経の特性が理解できれば、「右にいかせたくない、左にいかせたくない」は、あまり良い狙い方ではありません。
右に行かせないように、左の方に振り過ぎたり、左に行かせないように、右の方に振り過ぎたりでは、ふだんの練習しているノーマルのスイングと違ってしまいます。
右に行かせたくなければ、右方向を、構えで大きく避けて、
「左のバンカー方向に打つ」
左に行かせたくなければ、
「右の松の木に向かって打つ」
という狙い方をしましょう。
これが、
「構えで逃げて、スイングで逃げない」
ということです。

練習場では、コースでのプレッシャーを想定して練習することをおすすめします。
具体的には、
≪構えの手順≫
ルーティンと言われています。
コースでプレーをしているときと同じような手順で 1球1球打つことです。
●球の後方から目標を確認するところから構える
●手順の素早さ
がポイントでしょう。
≪イメージング(インドアの場合)≫
●目の前の的に、200ヤード先の的をイメージできるか
●左や右に、障害物があるとイメージできるか
≪1球ごとにクラブを替える≫
●クラブの長さの変化に慣れる
スコアがいいゴルファーほど、上記の項目にものすごく長い時間をかけて練習しています。
そういったことは完全にマスターしているゴルファーは、練習場でもたくさん球数打てるでしょう。
ふつう、1時間から1時間半で100球も打てれば、かなり要領がいいゴルファーでしょう。
よく、「たくさん打たなければ上達しない」と言われます。
私が一番良くないと思っているのが、「身体でおぼえろ!」ということです。
理論や手順、要領などがわかっていないのに、やみくもにたくさん打つのは、悪い動作を固めることになるからです。
身体でおぼえる前に、「頭でおぼえる」ことだと私は考えます。
「練習場でたくさん球を打つ人は、コースでもたくさん球を打つことになる」と、私はレッスンで伝えています。

曲げない、方向性を良くしたい。そんなお悩みを解消のために、ちょっとしたテクニックをお教えしましょう。
クラブをかなり短くグリップしてみてください。
ほとんどシャフト付近です。
飛距離は、5~10%くらい落ちるかもしれませんが、曲がり幅は確実に半分に減ります。
5~10%を欲張って、50%以上の損(横に出すだけなど半分以上距離をロスしてしまう)をするより、「損して得取れ」の発想です。

怖さは、なかなか消し去れないものです。
自信のなさも、仕方ないでしょう。
気持ちが弱い、と卑下することはありません。
「ドライバー&7番アイアンでナイスオン」 が理想の攻め方であっても、
不安で自信がなければ、 例えば、
「5番ウッド&ユーティリティ、アプローチ」 といった堅実策で行きましょう。
ティーショットでリスクを負いすぎないことです。
一番ケガが大きいからです。
遠回りでも、「命を残す」ことです。
OBや池ポチャは徹底的に避けましょう。
どれだけ練習しても、「必ず真っ直ぐに飛ばす」方法はないのかもしれません。
少しでもミスを減らす方法は、月並みですが、「打つ前(構えや手順)を完璧にすること」だと私は考えます。
あえて技術的なポイントは、
「フィニッシュで3秒止まること」
です。これさえ断行できれば、ミスは最小限に減らせます。
コースでできることは1つ。シンプルで確実なことに限ります。
しっかり決心して、自分の仕事(スイング)を信じること。
それでも曲がるのがゴルフなのだ、と悟りたいところです。
さらには、ミスしてしまったのは、
「仕方がない」を受け入れることでしょう。
打つ前の準備は完璧を尽くす(100点をイメージする)。
出た結果に対しては、 次に打てるところにあればよかった、と考える。
ミスの頻度や度合は減らせるはずです。
つまり、ミスしても致命的にはならない。 ミスとミスをつなげていく。
これがゴルフというゲームの本質だと思います。
プロでもドライバーのフェアウェイキープ率は、平均すると6割程度、良くて7割。
グリーンに乗せる率(パー3では1打目、パー4では2打目)は、これも6割くらいです。プロでさえ、この確率なのですから、アマチュアゴルファーの方も参考にすべきでしょう。
しっかり攻略のプランは立てるが、崩れるのはふつうであり、むしろ当たり前のこと。
しかし、そこでメゲずにそこからまたプランをたてなおし、ゴールに向かって進む。
これが、ゴルフの楽しみ方なのだと思います。
「2つ目の理由」 了
【3つ目の理由】練習場ではナイスショットなのに、コースではサッパリ…。その理由は?
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この記事を書いたライター

礎 康之(ティーチングプロ)
【倶楽部ゴルフジョイ 代表プロ】25歳からと、“大人になってから”のゴルフ経験は、「アマチュアゴルファーの気持ちがわかるプロ」との好評を得ている。
http://www.club-golfjoy.com/