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ゴルフ小説|こちら港区ゴルフィ編集部 第3話 ~雰囲気作りこそ、ゴルフ上達の重要なファクターか!?~

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TRACKMANで弾道測定してきた


こんな幸運があるだろうか。


ラウンド前のパター練習場で、鈴木愛プロに出くわした。


勇気を振り絞って声をかけると、気さくに笑顔で答えてくれる。


さらに、ずうずうしくも、パターの悩みを話してみたり……。


なんといっても、愛ちゃんは女子ツアーの平均パット数ナンバーワンなのだ。


この機会に、ぜひその極意を聞きたいと思うのも当然だろう。


愛ちゃんは、遠慮がちに、心構えとちょっとしたコツを教えてくれる。


照れながらのところがいい。笑顔が素敵だ。


普通なら、こんな幸運なんてあるわけない。


シーズン前だからだろうか。表情も柔らかい。


そして、僕の本日のラウンドのパット数はなんと25だった。


いつもは2打×18ホールで36前後なのに……。


奇跡だ。信じられない。愛ちゃん、ありがとう。


君のおかげです。愛ちゃん、本当にありが…。




「はい? タジィさん、何か言いました?」

「愛ちゃん…、えっ」


目を覚ますと、目の前にはゴルフィ編集部、新人バイトの近藤愛ちゃんの顔……。


「いま、私にありがとうって言いました?」

「いや、えっと…」

「ジャンボさん! タジィさんにありがとうって、いきなり感謝されましたけど、なんだか怖いでーす!」


ジャンボさんの声が飛んでくる。文字通り、飛んでくる。


「タジィ、またか。勝手におまえの夢に愛ちゃんを登場させるなよ!」

「はっ? あれぇ」

「まったく、最近、変態妄想度が加速してるぞ。自分に都合のいい夢ばっかりみたいで、ホント幸せな奴だよな。まあ、許してやって、愛ちゃん」

「はーい、ジャンボさん。そうそう、タジィさん、出演料って出ます?」


というわけで、鈴木の愛ちゃんが、いやいや、近藤愛ちゃんがアルバイトとして、編集部にやってきて1週間が経った。愛ちゃんのコミュニケーション力は抜群で、その口の減らない感じは、僕の若い可愛い女の子像を完全に破壊してしまった。


ジャンボさんが接待でガールズバーに行った時に知り合って、バイトにスカウトしたらすぐその店をやめて、ゴルフィ編集部にやってきたのだ。それから、たった1週間だが、まるで1年以上もいるようなとけ込みようで、編集部内でのヒエラルキーはすでに僕よりも上になっている気もする。


ゴルフは、練習場に行ったことがある程度で初心者らしい。ただ、ソフトボールの国体選手だったらしく、運動神経は抜群で、最近ゴルフに興味をもっていて、たまたまジャンボさんと話も馬も合ったのだという。にしても思い切りのいいというか、判断が早いというか、若いって素晴らしいと思った(僕も20代だけど……)。


身長は見たところ160センチはないかなという感じで大きくない。でも、ショートボブがよく似合っていて、はっきりいって可愛い。こんな子が来てくれるなんて、僕はけっこう幸運かもしれないと思えるほどだ。

それに女性の存在というのは絶大で、彼女のおかげで編集部全体の空気が変わったと思う。それに、ジャンボさんの「べらんめえ調」が若干おとなしくなっていて、僕もその恩恵を少しは受けている(僕にも少し優しくなっているような気がする)。


ヒエラルキーはともかく、愛ちゃんの明るい雰囲気はとてもいい。「場を作る」とでもいうのだろうか。自分で、自分の「場」を自然と作ることができる、いい意味で。


ゴルフにも、もしかしたらそんな資質は生かされるのかとも思った。

メンタルが重要なスポーツだから、プレー時の雰囲気作りは大事だ。ラウンド中、他の人の言動に振り回されていたら、実力の半分も出なかったりする。僕なんかも、一緒に回る人が苦手だったりすると、緊張もあったりで、ティーショットをチョロったり、グリーン上でパターにパンチが入ったりとまともなゴルフができない(もちろん実力不足もあるが……)。


ただ、そんな時に雰囲気作りができる人がいると助かるし、きっと本人のゴルフにも好影響なのは間違いないだろう。

強いプロ、勝てるプロは、そういうことが上手なように思う。自分がいいショットを打てる、実力を十分発揮できる雰囲気作りをすること。最近じゃ、空気感みたいな言い方なんだろうか。


ゴルフは技術だけでなく、そのメンタル要素があるからまた面白いともいえる。単純に「技術的にうまい=勝てるor良いスコア」だけじゃない。まあ、そんな雰囲気作りができるのも、ゴルフ上達の重要なファクターなのだろう。


そんなふうに考えると、愛ちゃんはちょっと練習したらすぐに100切りして、僕はあっという間に抜かれてしまうのかもしれない。そして僕の頭の中には、ジャンボさんにさんざん嫌味を言われるという最悪のシナリオがちらつくのだった。

こりゃあ、幸運どころじゃない、不幸の始まりだ……。



つづく





この記事を書いたライター

東龍太郎

東龍太郎

1年中カラダのどこかが痛い満身創痍の“へたれゴルファー”。アマならではの、ゆるいゴルフネタをご提供!

http://golfee.jp/
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