2016.8.13
プロゴルファーの練習方法の秘密|”パーセントで考える”とスコアアップの可能性は広がる

こんにちは。ロマン派ゴルフ作家の篠原です。
「下手になる練習をしているから下手が固まってしまうのです」
多くのプロゴルファーが異口同音に、一般のゴルファーの練習を見て嘆いています。
一昔前までは、最低3ヶ月はみっちり練習場でボールを打ってからコースに出ろ、という定石から始まって、トラックの荷台に山盛りになるぐらいの量のボールを打ってこそ一人前のゴルファーだ、というオキテのようなものもありました。遮二無二にボールを打ちまくるような練習方法は、これらの乱暴な先輩の助言が生んだものなのかもしれません。

プロゴルファーの練習を観察すると、その弾道の勢いや高さなどに感動して、肝心なものをついつい見逃してししまうものです。観察が必要なのは、練習の内容なのです。
フルショットの練習には大きく分けて2種類あります。
確認をするために流れで打つ練習と修正点などを徹底するための練習です。プロゴルファーの練習の大部分は、確認のための練習です。
代表的な例を挙げると、アプローチウェッジ、PW、8番アイアン、6番アイアン、4番アイアンを順番に15球程度ずつで75球。ハイブリッド(ユーティリティー)、フェアウェイウッドを10球程度ずつ打って20球。ドライバーを5球打って、合計100球。
「プロはそれで済むからプロなんだ」とスルーしてしまう人が多いのですけど、本当にそうなのでしょうか?
プロはより本番のコースでプレーする状況に近い練習をしているのです。
球数が少ないのは、実際のコースで間を空けずに次々にボールを打つことがないことを知っているからです。何十球も打って、やっと打てたボールはコースでは打てません。
最初の数球が実際にコースで出るボールなのです。コースで実力を発揮できない練習は無駄になってしまいます。

そうはいっても、プロゴルファーもひたすら打ち込む練習をすることがあります。
修正点があって、それを身につけようとする場合は、反復するしかないので、徹底して球数を打ってスイングに染み込ませるのです。何も考えずに無意識で打っても、修正した部位が狙い通りに機能するまで、ときには千球を越えるボールを打ち続けることもあるのです。
そして、プロゴルファーは経験的に反復する練習の怖さも知っているのです。
修正点がわからずにミスショットを繰り返すような練習をたくさんすると、ミスショットの要因がスイングに根付いてしまうことがあるのです。
下手になるための練習とプロゴルファーが呆れるアマチュアの練習風景は、残念ながら、多くのゴルファーが知らずにやってしまっています。
初心者や初級者の頃には、とにかく球数を打つ練習で効果が出ます。ボールを打つことに慣れることが最優先だからです。
それを卒業したら、目的意識を明確にした練習ができるようにしましょう。

プロゴルファーが推奨する練習方法は、自分のゴルフに合った割合を考えることから始まります。
実際にプレーしているつもりで考えてみましょう。ドライバーは18ホールで何回打ちますか? それぞれのアイアンは?
アプローチとパットは別として、18ホールでそれぞれのクラブを何回使うかという数を出します。
それぞれにその数しか打たないと決めてから練習を開始します。
決意をしてやってみると、色々なことがわかるはずです。
まずは、1球ごとに丁寧に打つようになるはずです。これだけでも意味があるのです。
例えば、5球と決めたのに、全てミスショットだったクラブは、本番でもその可能性がありますので、すぐにコースに行く予定があれば使わないという選択もあります。その代わりに、上手く当たった番手を使えば良いのです。消極的だと思うかもしれませんが、酷いミスショットよりは確実にグリーンに近づいていきます。

決められた球数で納得するためには妥協も必要ですけど、同時に集中力は格段に増します。本番に近い心理状態で打つ練習にもなります。コースに出てしまえば、1球しか打てないのです。
改めて、ミスが多く出てしまうクラブについては、必要に応じた修正点を明らかにして球数を打つ練習をしましょう。
打ちながら考えるのはダメです。打つ前に修正点を明確にします。
修正点の候補を複数持って、練習することも悪くありません。その際は、10球程度で上手く行かなければ諦めて、次の候補を試すようにします。下手をスイングに擦り込まないための我慢です。機能する修正であれば、少ない球数で有効性が見えます。修正点を明らかにするためにワンポイントレッスンを受けるのもオススメです。

何十球も打って、無心になって調子が出てきても、それは全く意味がありません。それをコース上で再現はできないからです。
月一ゴルファーの多くが、初級者のレベルの練習をしています。
本番を意識して、自分を見つめ直すことも練習の大事なポイントなのです。プロゴルファーのような練習に改善することで、一挙両得でスコアアップできる可能性があるのなら思いきって挑戦してみるべきなのです。
この記事を書いたライター

篠原 嗣典
ロマン派ゴルフ作家。中学でゴルフデビューして約40年。ゴルフの歴史、用具、コースなどの知識を駆使して、ゴルフの楽しさを紹介します。
http://blog.goo.ne.jp/golfplanet